グラン・ギニョールの恋人

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日曜の朝は既に月曜のことを考えて憂鬱で、起床後は明日のことを考える隙を与えないようにアニメを見まくってどうにか精神を保っている、わけでもなく、これは目を背けるという行為であるため罪悪感は増し増しで、どんどん泣けてきたところで助けが来た。ライチ光クラブを観ようという言葉を受信する。昼過ぎの映画を観てからは、変な時間に体に悪そうな大盛りのごはんを食べ、そういえば夜ごはんもまた同じようなメニューを食べて、そのときは自分がとても嫌そうな顔をしていたことがわかった。さておき、雑踏は気が紛れるから味方。耳から血を流し、変な服を着て、記号にまみれて時空に取り残され続ければ少なくともそのときだけはこわいものなんてなにもない。常に足りない/余る身体。中身がないことにずっと空腹を覚えています。生まれたときから。そんなの覚えていないけど。そんな空っぽな濁った3ヶ月目の水素のなかで昼下がりのジンジャエールやひと口だけ貰ったチョコミントのアイスをきれいだと思った。
うつくしいものが好きだ。人間は醜い。食事と排泄を繰り返し、慾には勝てず、老いて死んで腐る。だけど例えば愛する人の肉体は甘美でエロチックでなにもかもがうつくしい。食えるかもしれない。いやむしろ食いたいと思う。不自然にひかる瞳と赤い唇、ごめん、という言葉と静かに熱い行為。うつくしいと思ったら少し泣いちゃった。なんとなくデュシャンの泉を思いながら水と血と尿が混じって海になるまでを眺めていました。わたしは愛という感覚しか信じていない。愛という感覚だけを信じている。湿った聖書に火をつける。なにもかもが要らなくなったのに、簡単なことばかりしていたら欲しいものは手に入らない。