400回の未遂
たぶん、憧憬を持ちすぎてるんだと思う。わたしはヒーローになりたかった。大好きで、大好きなのに立ち向かえない。それは愛しているからではなくて、ただ単に体質である。生理的に受け付けないということです。わたしの愛は融通がきかなくて、ものすごい引力を持っていて、別々の個々のままで存在するためには、それを飲み込むか飲み込まれるかして没入する、もしくは完全に距離をとる、それしか方法がない。じゃないとどちらも死んでしまうから。肩を並べて傍にいることができない。こういうことが起きるたびに引き裂かれている。魂がとっ散らかったまま、肉体が落ち着かないまま、ここまで生きてしまっていつもどこかずれている。かみさまばかり眺めて、キラキラのアイドルの眩しさには目を焼かれるし、傾倒のあかつきには角度が度を過ぎてイカロスみたいにまっさかさまで、わたしを裏切らないのはもはや物だけなので、Amazonの配達が途切れるのがこわい。二万円のギフト券はいつのまにか消えてなくなりました。届いた本ばかり読んでかわいさもなくなっていく。人生が余っている。余りの時間を本棚としてさ、あと何冊刺せば生きるのやめられるかなー、リスク回避ばかりしてたら死ねないよ、どうすんの